骨粗鬆症

骨塩定量

○○○○○○○○イメージ

とくに女性は閉経後に急激に骨量が低下します。そのほか内科疾患や薬剤による可能性もあります。これらの診断には単純X線写真のみではできません。 当院では骨量の測定機械を設置していますので、気軽にご相談ください。

骨粗しょう症だけでは自覚症状はなく、骨折して初めて発見される場合も多いのです。 また、副甲状腺疾患や卵巣摘出後など、ほかの疾患によりおきる場合もあります。一般的には若年者平均と比べて7割以下に低下すると骨粗鬆症の病名がつき、治療開始が勧められます。 その以前でも生活上の注意が必要となる可能性がありますので、早めにご相談ください。


骨粗鬆症による骨折

大腿骨頚部骨折 橈骨遠位端骨折 上腕骨頚部骨折 腰椎圧迫骨折


投薬治療

テリパラチド(注射)

骨塩定量による検査での低値とこれまでの骨粗鬆症関連骨折の既往が多い場合、考慮します。当院ではフォルテオ自己注・テリボン筋注を行っています。非常に高い効果が認められていますが、自己負担額が大きいのが難点です。おおむね2年間程度継続します。


ビスホスホネート(内服・注射)

週一回内服のものが中心です。腸管からの吸収が悪く、「起床後すぐ空腹時に服用し、その後30分は水以外を飲んだり食べたりしてはいけない」などの制限があります。また逆流性食道炎などがある患者さんには内服投与ではなく、静脈注射(月一回)を勧めます。ごくまれに顎骨の問題になる報告があるため、歯科治療(特にインプラント)中の場合は他剤選択が望ましい

選択的エストロゲン製剤モジュレーター(SERM)

活性型ビタミンD3


骨粗鬆症薬と歯科治療

まず、D3製剤(エディロール・ロカルトロール アルファロール等)およびSERM(エビスタ・ビビアント)に関しては休薬する必要はありませんので、歯科治療は問題なく行って頂いて結構です。
 ビスフォスフォネート関連顎骨壊死に対するポジションペーパーによると、経口BP製剤投与中の患者に対しては、侵襲的歯科治療を行うことについて、投与期間が3年未満で、他にリスクファクターがない場合はBP製剤の休薬は原則として不要であり、口腔清掃後侵襲的歯科治療を行っても差し支えないと考えられています。
 しかし、投与機関が3年以上、あるいは3年未満でもステロイド投与などのリスクファクターがある場合には判断が難しく、処方医と歯科医で主疾患の状況と侵襲的歯科治療の必要性を踏まえた対応を検討する必要があります。BP製剤の休薬が可能な場合、その期間が長いほどビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)の発生頻度は低くなるとの報告があります。骨のリモデリングの期間を考慮すると休薬期間は少なくとも3ヶ月が望ましいとされています。抜歯などの侵襲的歯科治療後のBP製剤の投与再開までの期間は、術創が再生粘膜上皮で完全に覆われる2~3週間後、または十分な骨性治癒が期待できる2~3ヶ月後が目安であろうと考えられています。
 BP製剤の休薬の可否を決定する際には、医師・歯科医師と十分に話し合いをされることが必要でしょう。